- 附属図書館トップ
- YNUプラウド卒業生文庫
- YNUプラウド卒業生一覧
- 小野 行雄/2024年度YNUプラウド卒業生
小野 行雄(おの ゆきお)/2024年度YNUプラウド卒業生
日本の企業会計実務及び会計監査実務の品質向上とそれらの発展をリード。
経歴

1950年1月1日 | 愛知県額田郡幸田町で生まれる |
---|---|
1973年 | 横浜国立大学経営学部卒業 在学中は大藪俊哉先生のゼミと鉄道旅行研究会に所属 |
1973年 | 等松・青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマツ)入所 |
1980年 | Touche Ross & Co.(現 Deloitte & Touche LLP)ニューヨーク事務所赴任 日系企業の会計・監査業務に従事 |
1984年 | 東京事務所帰任 |
1985年 | 有限責任監査法人トーマツ パートナー(社員) |
1999年 | 東京事務所 経営委員(~2007年)兼 教育研修総括 |
2001年 | 東京事務所 監査総括 |
2004年 | 本部 経営会議メンバー(~2010年)兼 監査・ERS職務総括 東京事務所 監査総括 兼 金融グローバル総括 |
2007年 | 本部 監査・ERS業務本部長 本部 IFRS サービスセンターリーダー |
2010年 | 本部 経営会議議長 Deloitte Touche Tohmatsu Limited Board of Director |
2014年 | 有限責任監査法人トーマツ退職 |
2019年 | 小野行雄公認会計士事務所設立 所長(現任) 株式会社東京金融取引所 監査役(現任) |
2020年 | 世紀東急工業株式会社 監査役(現任) TIS株式会社 監査役(現任) |
主な役職
1992年~1995年 国際会計基準委員会 (International Accounting Standards Committee) 共同代表
1995年~1998年 日本公認会計士協会常務理事(監査基準委員会担当)
1998年~2004年 日本公認会計士協会理事
2013年10月 財務会計基準機構 企業会計基準委員会 委員長代行
2014年4月~2019年3月 企業会計基準委員会 委員長
2014年12月~2019年3月 企業会計審議会 臨時委員
2019年4月~2021年3月 企業会計基準委員会 シニアアドバイザー
受章歴
2022年11月 黄綬褒章受章
業績
過去30年の間に日本の会計制度及び会計監査制度は大きく変貌し発展を遂げて来ました。会計制度の面では、1990年代のバブルの崩壊を機に、国際会計基準に適合する形で会計ビッグバンと呼ばれる大規模な改定が行われました。一方で監査制度の面では、2007年頃不祥事をもとに大手監査法人が解散し、証券市場の番人としての会計監査制度及び監査法人に対する社会の信頼が大きく揺らぐ事態となりました。そのような時代において小野行雄氏は、監査法人において金融機関等の監査に長年従事され、2004年からは監査業務統括責任者を務めて、監査の品質維持・向上に貢献されました。更に2010年に経営会議議長に就任し、監査法人自身のガバナンスの改善に務めました。
また同時に、日本公認会計士協会(JICPA)において、1992年から1995年までJICPAの代表として国際会計基準委員会(International Accounting Committee)のメンバーに就任し、国際会計基準の改善に携わりました。更に1995年から1998年にはJICPAの常務理事として監査基準委員会を担当し、日本の監査業務の品質向上のため監査の実務指針の作成をリードしました。
2014年には、企業会計基準委員会委員長として、会計基準の開発に携わり、その間、日本の会計基準を高品質で国際的に整合性のとれたものとして維持・向上を図るとともに、国際会計基準の品質向上のため国際的な意見発信を行われました。
このように小野行雄氏は、年々増大する公認会計士及び監査法人に対する社会の期待に応えるべく、日本の企業会計実務及び会計監査実務の品質向上とそれらの発展を牽引しました。その社会的貢献は極めて大きく、2022年黄綬褒章を受章されました。
主な著作物
- 「内部統制監査の導入初年度の経験と課題」現代監査 No.20 2010, p.62-69
- 「企業会計基準委員会委員長就任にあたって」季刊会計基準. 第45号, 2014, p.11-14
- 座談会「修正国際基準(JMIS)の公開草案の公表を受けて」季刊会計基準. 第46号, 2014, p.12-31
- 「フランス会計基準設定主体委員長へのインタビュー」季刊会計基準. 第52号, 2016, p.8-14
- 「委員長の紹介」季刊会計基準. 第53号, 2016, p.9-13
- 対談「企業会計基準委員会の中期運営方針」季刊会計基準. 第54号, 2016, p.6-11
- 「欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)の代表者へのインタビュー」季刊会計基準. 第57号, 2017, p.6-12
- 座談会「「金融商品に関する会計基準の改正についての意見の募集」の公表を受けて」季刊会計基準. 第63号, 2018, p.22-35
- 座談会「「時価の算定に関する会計基準(案)」等の公表を受けて」季刊会計基準. 第64号, 2019, p.12-31
- 「委員長在任期間を振り返って」季刊会計基準. 第65号, 2019, p.6-9
- 座談会「小賀坂敦さんを偲んで」季刊会計基準. 第76号, 2022, p.6-21
- 「企業会計基準委員会の活動と2015年の展望」旬間商事法務 No.2055, 2015,p.107-111
- 「企業会計基準委員会の活動と2016年の展望」旬間商事法務 No.2089, 2016,p.91-94
- 「企業会計基準委員会の活動と2017年の展望」旬間商事法務 No.2122, 2017,p.65-70
- 「企業会計基準委員会の活動と2018年の展望」旬間商事法務 No.2155, 2018,p.95-100
- 「企業会計基準委員会の活動と2019年の展望」旬間商事法務 No.2187, 2019,p.88-93
- 「IASBの新作業計画とわが国会計プロフェッションの課題」国際会計研究学会年報2017年度 第1・2合併号,2018, p.11-21
- 「修正国際基準(公開草案)の位置づけ)」JFAELニュースレター 2014.9, p.6-7
- 「羅針盤 IFRSのエンドースメント」月間監査役 2014,p.3
- 「DCF法の監査上の留意点について」週刊金融財政事情 2003,34-39
- インタビュー「監査基準の改定に関する意見書(公開草案)のポイント」企業会計 2001,p.62-80
- 「連結会計とグループ経営管理」税経通信 1999年4月臨時増刊,p.29-34
- 「国際会計基準のケース・スタディ 資産の減損」税経通信 1999年10月臨時増刊,p.224-231
- 「監査環境の変化と公認会計士監査の行方」Business Transformation 1998,p.30-37
- 「公開シンポジウム 国際会計基準の形成とその問題点 -基調講演をめぐってー」国際会計研究学会年報1992年度, 1992, p.5-57