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宮田 進(みやた すすむ)/2024年度YNUプラウド卒業生
一人ひとりの子どもに寄り添いながら川崎市の学校教育に貢献。全国の省エネ教育にも波及する功績を残した。
経歴

1940年7月9日 | 神奈川県川崎市で生まれる |
---|---|
1963年 | 横浜国立大学学芸学部社会科卒業 |
1964年 | 川崎市平間小学校教諭 |
1985年 | 川崎市教育委員会指導課指導主事 |
1989年 | 川崎市上丸子小学校教頭 |
1993年 | 川崎市立宿河原小学校校長 |
1997年 | 川崎市立新町小学校校長 |
2004年 | 教育活動総合サポートセンター設立 |
2018年 | 「新作風土記」の編集に携わる |
2019年 | 「新作風土記」刊行 |
主な役職
1998年~1999年 川崎市立小学校校長会会長
2001年~2004年 神奈川県川崎市学校給食会専務理事・事務長
2004年~2007年 川崎市教育委員会委員長
2008年~2010年 教育活動総合サポートセンター理事・事務局長
2010年~2012年 教育活動総合サポートセンター理事長
2013年~ 教育活動総合サポートセンター顧問(現任)
2018年~2019年 新作風土記刊行実行委員会編集長
主な受章・受賞歴等
1998年 神奈川県教育委員会教育功労者表彰
2009年 瑞寶双光章受賞
2020年 川崎市文化賞受賞
業績
宮田氏は川崎の市立小学校校長、小学校校長会会長、教育委員長などを歴任後、同期で退職した2人の校長とともに、不登校児童・生徒の学校復帰を支援する教育活動総合サポートセンターを設立されました。そのきっかけとなったのは、「不登校の児童を残して退職することに心残りを感じていた」からでした。当時は、不登校の児童がいても対応する職員がいないため、校長や教頭が対応せざるを得ませんでした。そこで、退職した人間が不登校の児童の対応をすれば学校現場は助かると考えたのでした。不登校児童・生徒が増加するなか、一人ひとりの子どもの心に寄り添いながら、「子たちに力を」を合い言葉に、「子どもへの学習支援と居場所づくりの活動」「豊かな体験を広げる活動」など様々な活動に取り組んできました。同法人は、教育委員会や学校と連携しながら川崎市の学校教育に大きく貢献し、2024年に川崎市制100周年記念市制功労賞を受賞。宮田氏はその中心として法人の活動を牽引されました。
宮田氏は、川崎市の「省エネ」教育にも尽力されました。そのきっかけとなったのは、新町小学校に転勤したばかりの頃、たまたま学校に遊びに来ていた入学前の女の子が、校庭の常夜灯が点滅しているのを見てつぶやいた「学校の電気は泣いているね」という一言でした。強烈に胸に突き刺さり「省エネ」教育の必要性を感じたそうです。
この頃はまだ「省エネ」教育があまり行われていませんでした。「省エネ」を何とか教育に展開できないかと考え、東京電力に協力を依頼したところ「電力会社としても、電気を使うのをできるだけ節約してもらいたいので、東京電力としても応援をしたい。」という返事をもらうことができました。
また、読売新聞に「省エネ教育のすすめ」という記事を掲載したところ、通商産業省(現経済産業省)の関東経済産業局が学校訪問にやってきました。そして、省エネルギーセンターに教育活動部門を創ることになり、そこでの仕事を校長職と兼任することになりました。児童が今いくら電気を使っているかを数字でわかるようにするため「省エネナビ」の機械を作ることを提案しました。資源エネルギーセンターが資源エネルギー庁に予算要求し「省エネナビ」の機械を1000台作り、川崎市の約半分の学校(川崎区全校及び他の地区は何校か)に配置しました。児童が見える場所に設置することで、電気の無駄遣いをしないという習慣が身につきました。「省エネナビ」を配置した学校と配置しない学校で電気代を比較したところ、1年間で2億円の差がでました。
最終的には文部省も「省エネ」をやることとなり、九州大学、熊本大学、広島大学、大阪大学、金沢大学、東京医科歯科大学、東北大学、北海道大学などで講義を行いました。学習指導要領でも「省エネ」という言葉が登場するようになりました。こうして全国の省エネ教育に波及する功績を残されました。
また、地域の文化活動に取り組み、地域の諸団体とともに「新作風土記」発刊に貢献されました。
主な著書
- 「教育経営入門」教育開発研究所 2012年4月
- 「学校改善を進めるための実践的研究」第一法規出版株式会社 2000年
- 「実務・事例を重視した教職入門」教育出版 2011年
- 「写真が語る川崎市の100年」いき出版 2020年
- 「新作風土記」教育出版株式会社 2019年