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苅谷 道郎(かりや みちお)/2024年度YNUプラウド卒業生
株式会社ニコンのカメラ・精機事業の再建と発展に貢献。闊達な人柄、型破りの発想と行動力で同社を牽引。
経歴

1942年1月5日 | 神奈川県横浜市で生まれる |
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1965年 | 横浜国立大学工学部応用化学科卒業 |
1967年 | 横浜国立大学大学院工学研究科修士課程修了 日本工学工業株式会社(現 株式会社ニコン)入社 |
1995年 | 株式会社ニコン 取締役 相模原製作所長 |
1999年 | 株式会社ニコン 映像カンパニープレジデント |
2001年 | 株式会社ニコン 常務 |
2002年 | 株式会社ニコン 精機カンパニープレジデント |
2003年 | 株式会社ニコン 専務 |
2004年 | 株式会社ニコン 副社長 |
2005年 | 株式会社ニコン 社長兼CEO兼COO |
2010年 | 株式会社ニコン 代表取締役会長 |
2011年 | 株式会社JSR 取締役 |
2012年 | 株式会社ニコン 相談役 |
2017年 | 株式会社ニコン 特別顧問(現任) |
受章歴
2014年 旭日重工章受章
業績
大学院の修士課程を修了後、日本光学工業株式会社(現 株式会社ニコン)に入社し、生産技術、開発の仕事に長く従事した。相模原製作所長硝子製造部ゼネラルマネージャー、取締役、常務、専務、副社長を経て2005年に社長就任。新興のデジタルカメラ部門を育て、精機(ステッパ一)部門の再建と1960年代後半苦境に陥っていたニコンを復活させることに尽力した。この顕著な功績を挙げたことにより、平成26年旭日重光章を受章した。EDレンズの開発
横浜国立大学で行っていた非酸化物ガラスの構造に関する研究を礎に16年間光学レンズの研究に従事した。カメラや半導体露光装置などの中核技術として利用されているEDガラスを開発し、光学ガラス熔解(ようかい)の自動化に道筋をつけた。ステッパー部門の再建
ステッパー*はデジタルカメラと並ぶ同社の大黒柱であった。2006年、他社に先駆けて開発・出荷した「ArF(フッ化アルゴン)液浸」方式のステッパーが成功を収めた。この方式の決定に際し、当時精機カンパニープレジデントとなった苅谷氏は、自ら調査しその選択を決断した。当社内に既存する技術をベースとするため信頼性が高く、開発費が安く済むため価格も低く抑えられる。徹底的に調査し、素早く合理的な判断をする苅谷氏の強力なリーダーシップがうかがえる。*ステッパー:縮小投影露光装置ともいう。微細な半導体回路(超LSI)をウェファー上に露光させる装置。- 『デジタル化学辞典(第2版)』森北出版より
参考資料
- 編集長インタビュー ニコン社長・CEO兼COO苅谷道郎 デジタルカメラはどんどん伸びる「第2世代」投入で新市場創造へ. 日経マネー. 2007, 299, p.100-102.
- 森一夫. ”第4章 ニコン 潜在技術力を開花させた老舗の踏ん張り”. 経営にカリスマはいらない. 日本経済新聞出版社, 2008, p.103-119.
- 今、若者たちへ:君に伝えたい私の経験 ニコン社長 苅谷道郎さん. 日本経済新聞. 2008年2月5日版, p.32.
- 苅谷道郎. 私の始末書. Associē. 2008, p.86-87.