大皇帝選挙候アトラス

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大皇帝選挙候アトラス

この地図帳は、オランダ西インド会社の代表であった Johan Morith が1665年頃にブランデンブルク候 Frederik Williams に献呈したものであることから、「大皇帝選挙候アトラス」と呼ばれている。図書館で所蔵しているのは複製本である。元の本は2倍の大きさで、縦170cm、開いたときの横のの幅は222cmもあるという。

この時代に作成された地図は、ヨーロッパについては前近代的な測量と、作成者の勘によっていて、また、ヨーロッパ以外の地域については、旅行者の記録や船乗りの経験に基づいているが、一方では、中世以来のキリスト教神学の影響も強く残っており、空想的描写も随所に見られる。

この地図が作成された時代は、スペイン、ポルトガルを抜いて世界を制覇したオランダの黄金時代だったが、それはまたオランダの地図の黄金時代でもあった。アムステルダムには地図屋が何十軒となくあったが、モリッツはその中から11軒を選んでそれぞれ得意とする地方の地図をつくらせ、これを買い上げて地図帳に整えたのである。

なお、この地図帳は、文部省大型コレクション収書計画による特別経費で購入された「世界各国地図帳集成」の中の一冊である。


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