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平成10年度附属図書館事業計画について

坂上光明

 去る5月15日に開催された第1回附属図書館運営委員会において、附属図書館の平成10年度事業計画(案)が承認されました。この事業計画は、図書館の運営、サービスに関して今年度中に取り組むべき改善目標を示したものですが、その実現のためには、学内の関係各方面のご理解とご協力を必要とすることが少なくありません。そこで、以下、この事業計画の内容とその意義についてご説明することにより、教職員、学生のみなさまのご理解を得る一助としたいと思います。

1.平日夜間開館時間の延長

  現在、中央図書館と理工学系研究図書館では、平日午後8時45分までの夜間開館を実施しており、社会科学系研究図書館でも磁気カードによる無人入館管理装置により同時刻までの利用が可能となっています。しかし、工学部二部や経営学部夜間主コースの授業が9時前後まで行われることを考慮すると、あと1時間程度の夜間開館の延長が必要と思われます。経費や人員の手当、また警備上の理由などから一挙に実現することは困難ですが、可能な限り早期実現を図りたいと考えています。

2.建物周辺及びエントランス周りの環境整備

  最近、全学的にキャンパス内の美化と環境整備が進められていますが、中央図書館正面玄関前の広場はやや殺風景の感を免れません。大学の知的殿堂にふさわしい、もっと潤いのある空間を整備してはどうかとの声が寄せられています。また、同じく中央図書館のエントランス付近の利用環境についてもできる限り改善を図りたいと思います。

3.身体障害者のための利用環境の整備

  中央図書館の2号館や理工学系研究図書館では、車椅子用のスロープやエレベーター、点字による表示など、身体に障害を持つ図書館利用者を支援するための最小限の設備が備えられていますが、中央図書館の1号館や社会科学系研究図書館ではこれらの設備がまだありません。今後、どこにどのような設備が必要か、また、それまでの代替措置としてどのような措置をとることができるかを早急に検討する予定です。

4.不用図書館資料の管理換による資料収蔵スペースの確保

  現在、中央図書館では資料の収蔵スペースが限界に近づいており、近い将来に満杯状態になることが予想されます。このため、学内で重複しているなどの理由により必ずしも保存しておく必要のない雑誌などを他大学に管理換して収蔵スペースの確保に努める必要があります。

5.蔵書目録データの遡及入力の促進

  本学の蔵書数約115万冊のうち、蔵書目録データベースに記録されていてコンピュータで検索することができる図書はまだ約44万冊にとどまっており、残り55万冊(製本雑誌等をのぞく)の目録データは以前の図書カードのままになっています。効率的な検索の便を図るため、これらのカード目録のデータをコンピュータで検索できる形式のデータに変換する必要があります。今年度は、文部省科学研究費補助金の交付を受けて、社会科学特殊コレクションの全文・画像データベースを構築する事業の一環として、この分野の蔵書目録データの遡及入力を進めていく予定です。

6.学術雑誌の学内所在調査

  本学の学内に所蔵されている学術雑誌の所在場所は、中央図書館、理工学系研究図書館、社会科学系研究図書館のほか、各部局の研究室など200カ所以上に及んでいますが、従来、これらの所在情報が目録データベース上に正確に記録されていなかったため、利用上、著しい支障を来してきました。今年度、各研究室等のご協力を得て学術雑誌の学内所在調査を実施することにより、目録データベース中の雑誌所在データを完備したいと考えています。

7.CD−ROMサーバの整備

  現在、図書館では、新聞記事、判例要旨、出版目録、索引・抄録資料などを内容とする10数種類のCD−ROM資料を所蔵していますが、その多くは単体のパソコン上か館内のネットワーク上でしか利用できません。これらを学内LANを介して研究室等からいつでも利用できるようにするためには、ネットワーク対応のCD−ROMサーバシステムを整備することが必要です。特に、平成9年度に文部省予算の特別配分を受けて購入した Chemical Abstracts. 12th Collective Index with Abstracts を全学で有効活用するには、このCD−ROMサーバの整備が不可欠のため、今年度中の導入を目指して関係各方面に予算要求しているところです。

8.広報メディアの充実

  平成8年7月からインターネット上にWWWの図書館ホームページを開設(試験運用)していますが、今年度からその本格運用に移行します。図書館ホームページでは、学内LANやインターネットを介して各種の利用案内情報を提供するほか、オンライン蔵書目録や本学紀要の目次情報データベースなど、学内外から24時間いつでもアクセスできる電子図書館サービスへの統合的な利用窓口として拡充していきたいと考えています。これと並行して、従来の紙メディアによる図書館報や図書館案内パンフレットの充実にも努めて参ります。

<附属図書館事務部長 さかがみ みつあき>


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