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附属図書館WWWサーバのホームページの公開(試験運用)について

インターネットの話題なしには夜も日も明けないという昨今です。情報資源活用の拠点としては老舗といえる附属図書館でも、WWWサーバにホームペ ージを開設し、7月1日より試験運用を開始しまし た。

インターネットは、膨大な数のコンピュータ通信 ネットワークが互いに結ばれあって全世界を網の目のように包み込むほどに拡大し、なおも膨張を続け ているものです。これに連なるネットワークのいず れかに接続した場合には、相手がすぐ隣の建物であ ろうと地球の裏側であろうと、距離や伝送経路を気 にすることなしに、ごく簡単な手続きでコンピュー タ間通信を行うことができます。

このしくみでもっとも多く利用されているのは電 子メールですが、ここにきて俄然さかんになってきているのが、World Wide Web(WWWと略記される) とよばれるタイプのものです。これは、従来のシス テムが文字情報主体のものであったのに対し、画像 (静止画・動画)や音声の情報を含むハイパーテキ スト型の情報システムになっており、マルチメディ ア化の典型のような情報表現を獲得しています。W WWサーバとよばれる情報発信側のコンピュータに は、ホームページという、それぞれの情報内容を簡 潔にグラフィカルに表現した画面が用意されていま す。これは、図書でいえば表紙や目次、会社でいえ ばフロントの総合案内にあたるようなもので、そこ を振り出しに同じサーバ内にある情報の引き出しを 開けていったり、それと全く同じ感覚で、別のサー バにあるホームページへとジャンプして、次々に情 報画面を参照できるようになっています。

こうして情報を参照するためには、情報受信側の パソコン等にブラウザと称する種類のソフトウェアが必要になります。固有名称でいえば、Mosaic と か、次いで開発されたNetscape とかいう、優秀で 便利なブラウザが広まったことによって、WWWで の情報探索は活況を呈してきたわけです。

既に、インターネット上には、公的な情報開示の ホームページから個個人の趣味的な情報表現のホームページまで、千差万別の情報資源が存在していま す。一般社会でのインターネット熱には、ベンチャ ービジネスのネタ探しや景気誘導への過剰な期待が こめられているきらいもありますが、元来が学術研 究のネットワークから発展してきたインターネット には、堅実で豊かな情報資源の蓄積があります。

一方、横浜国立大学のキャンパスに張りめぐらさ れている学内LAN(Local Area Network)も、このインターネットに連なっていますので、私たちは、 研究室などから学内LANを経由したアクセスで、 インターネットに横たわる情報を求めて、思い思い に逍遙することが可能になっています。また、キャ ンパス以外においても、企業や一般向けにインター ネット接続サービスを行うプロバイダと呼ばれる専 門業者が出現していますので、そこと契約すれば、 電話回線でつないで家庭からでも利用することがで きます。その場合には、契約時の入会金等を除けば、 接続利用料金と電話料金の合計の経費でもって、パ ソコン通信と大差ない装備でインターネット上の情 報を入手できるまでになっているのです。

このように、インターネットに象徴される情報環境の高度化の波が押し寄せてきています。2010年を めざして各家庭にまで光ファイバーを引き込むとい う計画があるそうですから、将来的には、学習や研 究の場面だけで情報環境にさらされるのではなく、 私たちの日常生活そのものが全体としてこうした情 報環境に包まれていくことは間違いなさそうです。 したがって、今から、そうした環境に少しでも触れ て、積極的に慣れ親しんでいくことが必要になって きているのではないでしょうか。

以上、この分野の用語に馴染みのない方にとって は要領を得ない説明であったかもしれませんが、と りあえずの前置きとしてご容赦いただくとして、以 下の部分で、附属図書館のホームページ構想を紹介 してみます。

● 附属図書館WWWサーバのホームページ

附属図書館ホームページは、インターネットに向 けて情報発信します。URL(Uniform Resource Locator)は、//www.lib.ynu.ac.jp/ です。 これが、アドレスとなります。英語版を作成してバ イリンガルも目指したいものですが、試験運用とし ての現在は、まず日本語版で骨格を固め、情報の種 類を豊富にすることに努めたいと思います。

ホームページの機能には、オリジナルの情報発信と外部サーバの抱える情報源への誘導があります。 図書館の情報発信が他と異なるのは、もともと情報 サービスを役割として担ってきているからで、実現すべき事柄が明確だという面があります。附属図書 館ホームページのあり方もそれを反映したものとな りますが、概要を紹介してみましょう。

  1. 附属図書館に関する情報の発信
    情報発信の基本は、自らに関する情報を積極的に 発信することです。学外者向けの表現が必要になる でしょう。ここでは、利用サービスの案内情報が重 要になります。図書館概要や施設紹介などは画像情 報をまじえて提供します。また、2.とも関連します が、資料に関する情報として、所蔵コレクションの 紹介や学内刊行物の紹介も実現すべきものです。こ れらについては、各事項を適宜リンクづけして、相 互に参照できる形にすることを考えています。
  2. 情報検索サービスのアクセスポイント
    図書館に求められる情報サービスで特有なのは、 どんな資料を所蔵しているかがわかること、それを検索できる機能です。附属図書館では、既に公開し ているOPAC(Online Public Access Catalogue :オンライン利用者用目録)へのアクセスポイント をホームページに設けます。ラインモードのtelnet 版に加えて画面モードのWWW版も用意しました。
    なお、学内向けに行っているCD−ROMサーバ によるオンラインのデータベース検索サービスも、アクセス制限の管理のしくみができるようでしたら、 同様のアクセスポイントを設けたいと考えます。複 数のアドレスを覚え込まないでも、ホームページに さえつなげば、手軽に利用できるわけです。
  3. 資料・情報サービスの窓口
    上に述べたような一方向の情報発信のほか、購入 希望リクエスト・文献複写依頼のやりとりや、レファレンスの受け答えなど、双方向的なネットワーク サービスも実現したい機能です。可能になった場合 は、ホームページ上に窓口を設けたいと思います。
  4. 学内サーバへのリンク誘導
    各部局のサーバが既に昨年度末までに設置されており、各ホームページの実験運用が始められています。附属図書館ホームページも、こうして自力で立 ち上げることができましたので、早速学内の各ホー ムページにリンクを張って誘導の道筋を作ることに します。学内の各種情報については、全学ホームページに集約的にリンクされて相互参照されるべきも のですが、附属図書館ホームページでも、利用の便を考えて、できるだけ学内のホームページにリンク を張ろうと思います。
    なお、全学ホームページが正式運用される時点で は、附属図書館ホームページも各部局のホームページとならんで正式運用に移ることになります。今後 の整備は、それをめざして進めていきます。
  5. 学外サーバへのリンク誘導
    図書館では、日頃から、図書館間の相互協力をは じめとする外部機関の活用もあって情報サービスを行っています。また、出版社・新聞社・書店など、 図書館にとっても縁の深い方面の情報源については、 それにふさわしい紹介ができると思います。その他 目についた情報源も含めて、学内サーバへと同様に リンクを張ろうと思いますので、利用してみて下さ い。

● 来館利用者向けネットワークアクセス用パソコンの提供開始

附属図書館では、上に述べた当館ホームページやインターネット上に存在する各種情報を見るための来館利用者用パソコンを用意しました。中央図書館 と理工学系研究図書館の情報検索コーナーに1台ず つを設置し、7月1日から提供を開始します。最少 台数からのスタートになりましたので、とりあえず はマウスクリックによる操作のみですが、あらかじ めセットしたお試し・お薦めポイントを振り出しに、 ネットワークを散策していただくことができます。

今後も膨張の一途をたどるに違いないインターネ ット情報に対して、わずか2台のパソコンで十分だとは考えていませんが、みなさんのご理解とご声援を得ることができれば、何らかの予算措置が得られ た時点で、段階的に増設していくことは可能かと思 われます。多くの方にお試しいただけるよう、譲り合ってのご利用をお願いします。


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