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横浜国立大学生産工学科機械図書室を訪ねて

本学の蔵書は附属図書館本館,理工学系研究図書館,社会科学系研究図書館,経済学部附属貿易文献資料センターのほか,各学部の学科や課程に設けられた1〜2教室規模の図書室にも蔵され,それぞれの専門に即応した図書室として研究・教育に不可欠の役割を果している。そこで今回の館報からそれらのうちいくつかを選び紹介することとする。

工学部生産工学科機械図書室は1926年に創設された前身校の横浜高等工業学校機械科以来の伝統ある図書室である。そして保土ケ谷キャンパス移転の際に図書室機能を理工学系研究図書館に移した学科と,従来どおりに学科コース図書室を維持した学科とに分れ,ここに紹介する生産工学科機械図書室は後者の例である。

この機械図書室は生産工学科研究棟の2階北側にあり,その大きさは壁の内法で東西約13.2m,南北約8.4mである。図書室内の書架配列は3面と壁際に単式書架,中央西よりに6列の復式書架(いずれもスティール製)がおかれている。また事務空間は東北隅にとられ,その西側に教官用のパソコン(スクリーン衝立付)がある。また検索は東面設置のカードボックスで行われ,その前に3人程度の閲覧机,北面中央の窓際に対向式の閲覧机がある。以上の図書室の状況は図書室が書庫機能を主としていることを示し,工学部ではこの種の図書室が多い。そして図書閲覧は研究課題に即応しているため閲覧空間が広くなくても問題がないといわれる。

つぎに蔵書をみると,製本された論文雑誌を主とし,それらは和雑誌のほかイギリス・アメリカ・ドイツ・ロシア・オランダのものがあり,製本済洋雑誌4,943冊,製本済和雑誌2,805冊,公用帯出図書13,019冊(内,図書室3,111冊,各研究室9,908冊)である。このうち『日本機械学会論文集』は1号から,『同学会誌』は6号(1914年)からあり,このほか古いものでは“Journal of the Iron and Steel Institute”(1870〜1899),“Chemical Abstracts”2冊があり,いずれも厚手の上質紙を用い,付図は銅版画である。

*本稿執筆にあたり,生産工学科山口惇教授,図書室職員羽賀綾子さんにお世話になった。

<関口欣也>


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